◆開催期間:令和3年1月2日(土)~3月21日(日)
◆場所:歴史美術館
丹波篠山では江戸時代から能・狂言が盛んでした。現在でも、毎年、元旦には「翁」の元朝能が、春には篠山春日能が開催され、昔ながらの伝統芸能を今に伝えています。
能と狂言を合わせて「能楽」といいます。「能楽」は、昭和32年(1957)に重要無形文化財に指定され、これまで496名の文化財保持者が認定されました。令和2年(2020)、能楽の技法を高度に体現し、重要無形文化財「能楽」の保持者としてふさわしい者であるとして、丹波篠山市在住の大蔵流狂言方 山口耕道氏が認定されました。山口氏は、ご自身が狂言方として演じるだけでなく、「丹波篠山こども狂言」などの子どもを対象にした狂言の指導など次世代の育成にも尽力されています。
本展では、このたびの認定を記念して、「伝統の継承 丹波篠山の狂言」と題し、狂言装束や面、扇等を展示いたします。丹波篠山で継承されてきた伝統芸能への関心を深めていただく機会になれば幸いです。
大蔵流狂言方 山口耕道(丹波篠山市在住)
私設美術館「丹波古陶館」「能楽資料館」(同市河原町)に勤めていたことをきっかけに、春日神社(同市黒岡)の能舞台で披露される 「篠山春日能」で初めて能楽を鑑賞、興味を抱く。25歳で、地元の知り合いを誘って狂言グループを結成。 大蔵流狂言方の安東伸元氏に出稽古を依頼し、謡(うたい)や狂言を基礎から学ぶ。
40歳だった平成6年(1994)、 「自分なりの狂言を表現したい」とプロの道へ進むことを決意。安東氏の師匠である、四世茂山忠三郎氏に師事。 大蔵流狂言方として全国の能舞台で演じると共に、平成21年(2009)「丹波篠山こども狂言」を発足、子どもを対象にした狂言の指導など 次世代の育成にも力を入れている。
今年、能楽の技法を高度に体現し、保持者としてふさわしいと評価され、 重要無形文化財「能楽」の保持者(総合認定)に追加認定された。
・丹波篠山こども狂言とは
平成 21 年(2009)に開催された「丹波篠山・まちなみアートフェスティバル」でのワークショップをきっかけとして「丹波篠山こども狂言」が発足。以来、伝統芸能の狂言の継承を図ろうと毎年早春の時期に発表会を開催。山口氏の指導のもと、下は年長から上は中学生までの子どもたちが練習を重ね、5番ほどの演目を披露。 過去には春日神社の能舞台で披露されたこともある。